絞り出し急須でおいしいお茶を

常滑焼職人「手造りの会」発足

 常滑焼の伝統的な急須「絞り出し」を広めようと、急須職人有志らが「手造り絞り出し急須の会」を発足させた。

 メンバーは、急須職人の村田益規さん(54)、片山白山さん(56)、水野博司さん(55)、村越風月さん(55)の4人。東海市高横須賀町の日本茶専門喫茶店「茶肆(ちゃし)・道盅庵(どうちゅうあん)」の蟹江友啓店主(39)がアドバイザーとして加わった。

 絞り出しは、急須特有の持ち手がなく、平べったい形をしている。茶葉が広がりやすく、ぬるめの湯で茶を入れると、日本茶本来のうまみがよく出るという。

 メンバーらは、伊勢湾の海藻を巻き付けて焼き上げる「藻がけ」や朱泥など、常滑伝統技法による絞り出しを制作。茶わんのほか、新たに茶たくも手掛ける。

 同喫茶店では、職人らが作った絞り出しを使って蟹江さんが茶をもてなすほか、作品を販売。10月に亡くなった人間国宝、3代山田常山さんの品も展示する。

 将来的には、伊勢湾の藻の保存活動にも力を入れたいという。メンバーらは「まずは絞り出しの良さを知ってもらえれば」としている。

 出典=中日新聞2005年12月7日付け朝刊