常滑焼急須 上海で実演会
村田さん 「中国に広がれば面白い」

上海市の茶店で急須の創作を実演する村田益規さん=今村太郎撮影
【上海=今村太郎】
中国・上海の茶店で七日、常滑焼の急須作家、村田益規さん(六三)=常滑市陶郷町=が展示実演会を開いた。常滑焼の急須は中国の影響を強く受けたが、村田さんは「進化した作品が、今度は中国に広がれば面白い」と意気込んでいる。
中国茶界有力者の劉秋萍さん(六一)が二年前、知人を通じて作品を目にし、一目ぼれ。「中国でも人気を集める」と確信し、今回のイベントを企画した。
この日は、劉さんが上海中心部で営む「秋萍茶宴館」でろくろを回した。常滑焼の特徴である朱泥を基にして、焼き色に変化を付けた中国茶向けと日本茶向けの計九十点が並び、現地の茶界関係者が熱心に見入っていた。
常滑焼の急須は、一八七八(明治十一)年に中国から来た陶工金士恒が作り方を伝えたことがきっかけで、生産が盛んになった。実演会は八日も行われる予定で、村田さんは「現地の人がどんな反応示すか、楽しみです」と話している。

出典=中日新聞2013年9月8日付け朝刊