茶は椿の仲間なので葉は艶があって美しい。艶(ツや)の有
る葉(ハ)の樹(キ)で、略して、ツ・ハ・キ ⇒ ツバキ
と呼ぶ。因みにチャの近縁種のサザンカは“山茶花”と書く。
音読みで サンチャカ ⇒ サンザカ ⇒ サザンカ(連濁の
法則)また、葉の縁がギザギザ(鋸歯:ギョシ)であれば茶の
葉と思って差し支えない。表面を保護している艶の成分は、
ラテン語で“クチクラ(Cuticula)”と呼ぶ皮膜。英語で発音
すればキューティクルとなる。チャは甘いので虫から食べられ
ないように、これで保護する訳だ。そんな茶樹を平地で育てれ
ば恰好な餌になる。よってチャは自己防衛の為、葉の内部に
“苦味”や“渋み”を生成し食べられないようにする。それで
もホウレン草やチンゲン菜より遥かに甘い。当然、生産者は農
薬を振り撒く。
新茶の時期に茶畑の整然と並んだ畝が綺麗だと思う人が大半
だが、それが不自然と感じる人は、今は僅(わず)か。
以前、美味しい茶の樹は岩に生えるものが“上”と記した。
そして高貴な香りは高い山に育つものから発する。
茶は甘いから飲むと述べた。目にする平地の茶畑の葉は、虫
や鳥が食べない事実。 |
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