この時期、茶の樹は晩秋からの長い休眠より目覚める準備に
入っている。
植物からみると、茶は椿や山茶花(サザンカ)の仲間であるが、
カフェインやアミノ酸(旨味)は、茶独特のものだ。因みに、
植物学として茶を云う場合は“チャ”と記す慣習がある。
現在の定説では、中国の雲南省の南端で、ミャンマーやラオス
との国境に近い辺りが、茶のルーツと云われている。日本には
茶樹が自生していたのか伝来したのか近年まで論争が続いてい
たが、4,000年前の地層からチャの化石が見つかった。然し、
飲用や食用とされていたかは不明。これらの自生に加え大陸
(中国)から持ち込まれたチャが、遺伝子的に現在の我々が
飲んでいる茶とされている。
帰国した最澄・空海・栄西などの留学僧が種子を持ち込んでか
ら、喫茶が広まったらしいのだが、それまでは茶を飲んでいな
いのか?恐らく仏教伝来と共に飲み始めたはずだ。勿論、本当
のところは判らない。けれども茶でなければ何を飲んでいたの
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